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ヒロシマ平和研究教育機構キックオフシンポジウムをレポート


広島市、広島大学、広島市立大学、広島文化センターが2024年1月に設立した「ヒロシマ平和研究教育機構」の設立記念行事、キックオフシンポジウムが、7月14日(日)、ヒロシマ平和記念資料館東館にて開催されました。

いちレポメンバー国際学研究科2年若山竜雅、国際学部3年富原彩月、国際学部2年木村美優、芸術学部2年白石舞、芸術学部2年慶長真希の5名がシンポジウムに参加し、レポートします!

平和は単独で存在しない ?ハブとしての役割を期待?

 約180名が参加したこのシンポジウムは、ヒロシマ平和研究教育機構が今後どのような取り組みを行うのかを伝えることが目的でした。
 同機構は、広島大学及び広島市立大学の平和研究機関が中心となり強みや特色を持ち寄り、広島市、広島大学、広島市立大学及び広島平和文化センターの4者が連携?協力することで、これまでにない新たな研究領域の創出や教育プログラムの提供など「学術面」からの核兵器のない平和な世界を目指す取り組みを行っていくということでした。
 基調講演で広島平和文化センターの香川剛廣理事長は、「世界から見て『広島』とは原爆を落とされた所という程度の認識であり、もっと平和的ネットワークを広げるためにネームバリューを使用したい。本機構は、平和交流の「ハブ」として海外ネットワークの役割を果たす、育つべき組織である。」と語りました。
 その後行われたパネルディスカッションでは、共同教育について、世界有数の平和に関する教育研究の拠点を目指すこと、若手研究者を育てていくことの必要性についてなど、専門用語が飛び交う濃密な議論が展開され、次に挙げられた、昨年度から海外の学生を2名受け入れている共同研究についての話題では、「ノーモア?ヒロシマ」を忘れず、知名度、認知、関心を連動すること、人間としての共感を世界に発信することの意義を語られていました。
 その中でも、核廃棄、核抑止の双方のメカニズムを学び、歴史を取り巻く記憶を用いて、説明できる力を学生が身につけられる環境を作ることが大切であることや、ファンデルドゥース瑠璃准教授が、「説明できる力は生きる力となる」と語られていたのが印象に残っています。
 質疑応答の時間は、多くの質問が集まり、いくつかピックアップして質問に答えるかたちとなりました。大学院だけではなく学部生への教育の展開、社会人の学ぶチャンスの有無、一般市民にできることを知りたい、と「平和の学び」に関する質問に加え、核保有国や女性のネットワークの今後を問う質問もありました。
 機構がハブ(平和の架け橋)となることを期待し、学生の支援の充実を目的とした発言が多く見られました。
 計1時間にも及ぶ基調講演とパネルディスカッションが、広島市公式YouTubeチャンネルにて配信されています。ぜひ目と耳で機構の熱意を体感していただきたいです。

記事作成:芸術学部デザイン工芸学科2年 白石 舞